残像に口紅を

 筒井 康隆さんの作品です、最近モジケル(リンク先参照)というサイトで紹介されているのを見て一回読んでみました。

 内容は、世界から文字が消えていく、そのなかで普通に生活していく話なんですけど、たとえば世界から「あ」が消える、すると世界から「愛」という感情も言葉とともに消える、娘の名前が「愛子」だったりしたら自分の娘すら消えて残像となっていく、読んでいるとそんな物悲しさも色々伝わってきます。


 感想は最初と最後は面白かったです、簡単なあらましですが、最初のほうは物語の中での決まりを主人公とその友人の話し合いのような形で色々説明して、そこから色々日常の生活などにはいっていく。

 そんな説明台詞のような会話もなんかすんなり入ってきて面白く読めたし、最初のほうに徐々に文字が消えていき、物が周りから消えていく描写がなんとも面白かったのですけど、物語半ばに入ったところの濡れ場の描写がいらないんじゃないかと思いましたね、読んでいて疲れました。

 
 まぁマンネリになりそうなんで一回そういうシーンを入れたのかなんなのか意図はわかりませんけどその半ばの濡れ場が僕的に残念でした。しかもわりと長い・・・。


 その後、一気に文字の数も無くなっていき最後の方には「ガンガンガン」とかしかなくなってきて最後には一文字も無くなって終わりです。最後の方のもぅ使う文字もなくなってくるようなところも色々な言葉で代用しつつ物語を完成させていくところもさすがと思いながら楽しく読ませていただきましたね。


 まぁ総合的にみたら結構面白かったと思います、時間のある人はぜひ一回読んでみてください。

 長々失礼しました。


投稿者: 日時: 2006年08月03日 21:39 | パーマリンク |TOPページへ   ▲画面上へ

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