砂の女

 昨日読み終わりました安部公房の砂の女、さすがに読み応えのある本でしたね。安部公房のすごいところは非現実的な空間を描きながらもあたかも現実にありえるのではないであろうかと読者を思わせ、引き込みその主人公に感情移入させられてしまう。そんな力がこの砂の女にもこもっておりますね。

 
 この話も、ある一人の男教師が趣味の昆虫採取に浜辺に出かける。そこで宿を借りることになる村に案内されるのだが、案内された宿は砂の穴の中のぽつんとした家である。不思議に思いながらも縄梯子を降りて下の家に泊まると、次の日にはもぅすっかり縄梯子は無くそのままそこに監禁されて来る日も来る日も砂すくいの毎日に追われるようになる。


 こんな非現実的な話なのですが、この男の最後まで脱出を試みようとするこの男の執念のようなものが、実際このような状況に置かればこうなるであるなぁとゆうところを巧みについているような方法が色々記されてある。

 
 ネタばれになってもいい人は続きを読んでください。


 とりあえずは今までの僕の読んだ安部公房の作品とは一味違う物語的にはものすごいわかりやすいものに仕上がっていました、それでいて安部公房らしい言い回しや表現はそのまま生きているので、はじめて安部公房の書物を読むには最適な本ではないでしょうか?



 そして本日のこうきさんの離乳食はにんじんでございました。今回のにんじんもなんの味付けもしていないそうですがこうきさんはおいしそうに完食してしまいました。


 そして寝る前に、最近顔にまた赤いつぶつぶがでてきてるみたいなんですよ。なので早く治るためにてかてかの薬を顔に塗りお顔がてかてかになっているのでした。

↑てかりまくりのこうきさん(うれしそう)

 
 (砂の女のネタばれ的部分)

 最後、ことごとく男は脱出に失敗して、まだまだあきらめずに色々思案している最中のことでした。とあることで今まで夢にまで見た縄梯子がかけられているのであったのですが、男はそこから逃げることはありませんでした。いつでも逃げれるという安心感があれば今まで長い間かかって成し遂げようとした夢であってもそのことは後回しになってしますんでしょうかね?

 後回しというかなんだかもうどうでも良くなってしまっているような感覚すら覚えましたね。

投稿者: 日時: 2006年09月05日 20:31 | パーマリンク |TOPページへ   ▲画面上へ

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